昨夜は、何本も「ゴミ屋敷片づけ」動画を見てしまった。
ただひたすら、清掃業者が片付けていく作業を
早回しで流しているだけの動画なのだが、
片付け終わるまで、
何時間も見続けてしまった。
多分、若めの男性、引きこもり気味でゲームおたくのワンルームだと思われる。
扉を開けると、
天井から数十センチしか隙間がない。
ゴミの上をハイハイしながら、奥に進んでいかなければならない。
トイレも、風呂場も、廊下も同様。
リビングは、真ん中に、少しくぼみがあるだけで、
同じ状況。
窓は、ゴミが圧迫していて、開かない。
5人くらいの清掃業者が、
ただひたすら、可燃ごみとペットボトルを分別し、ゴミ袋に入れていく。
袋に詰められたゴミも、
マンションのほかの住人達に迷惑をかけられないので、
持っていく場所がない。
3トントラックが、何度か来ると、
ようやく可燃ごみの袋を持ち出せるのだが、
それまでは、
ゴミの集積しているうえに、積み上げていくしかない。
作業する場所を確保することも大変で、
立っている場所も不安定。
動画なので、臭いを感じることはないが、
窓も開けられず、大変だと思う。
ほとんどのゴミは、毎日コンビニで買ってきたような食べ物のゴミで、
それと同じだけの、ペットボトルがある。
中身の入ったままのもの、飲み残しのあるものも多く、
ペットボトルは、あとで、中身を廃棄し、つぶす作業が必要だ。
上のほうのゴミは比較的新しいので、軽いが、
下は、原形をとどめないほどに、圧縮され、
硬くなり、なにがなんだか分からないものになっている。
そんなものに紛れえて、
家電や、沢山のゲーム機、ソフト、DVD、それらのコード、
時々、現金なども出てくる。
動画を見るまで、
ゴミ清掃を請け負う業者の利用は、貴重品盗まれたら怖いなぁなんて、
利用者目線で思っていたのだが、
この状況を見ると、
大量のゴミが半端なくて、
土を掘っているトレジャーハンターみたい。
そこから小銭が少し出てきても、
大量のゴミを目にしすぎて、
小銭もゲーム機も、ゴミにしか見えないだろうな‥と思った。
それに、何かあったとしても、掘り返さない限り、それは使用できないのだから、
やはりゴミと一緒じゃね?と思ってしまった。
最初は「転売目的か?」なんて思ったのですが、
掘り進めていくうちに、
下のほうは、配線コードがからまって、ゴミが剥がれないような状況になっていることが分かった。
コードを下手に引っ張るのは怖い。
ONになったままの電気毛布をみつけ、OFFにしら、
バチッ!と電気が走り、ヤバイ!ヤバイ!という話になった。
延長コードの元栓を引き抜かなければ、危ないと思ったみたいだが、
ゴミが集積していて、どこにコンセントがあるのか分からない。
あれこれしていると、漏電したのか、ブレーカーが落ちた。
火事が怖いので、その後は電気が使えず、
窓もあかず、日の光の入らない状況で、作業が出来なくなった。
また、風呂場のドア横の廊下のゴミを撤去していくと、
下のほうは、なぜかビショビショになっており、
衣服がカビと劣化で、毛糸のように、真っ黒の伸びる塊となっていた。
床上のゴミは、真っ黒に燃えた跡があり、
火事になって、水をかけたのだろう・・と思われる。
ゴミの下のほうには、レンジが落ちており、
焦って、水をかけて消化を試みた住人に思いを馳せる。
時々、ゴミの塊の中に、ごみを集めた袋が見つかる。
分別されていないので、
業者は開封して、分別を行っていたが、
住人も、最初は、ゴミを袋に集める作業まで何度かやったのだな・・とせつなくなる。
この住人は生きているようで、
連絡が取れ、ゲーム機のどの種類はキープ、それ以外は廃棄と指示が出せる。
どうやって、ここに暮らし、
どうやって、この生活から脱出し、
業者を頼んだり、
そのお金を払ったり、
新しいところに住み始めたり出来たのだろうか?
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最初は、うちの息子たちのように、
家のことをする技術も、意識もないのに、
一人暮らしが始まり、
ゲームに明け暮れ、
コンビニ弁当やペットボトルの水分で、
胃を満たして生きていたら、
気がついたら、床にゴミがたまっていたということだろう。
袋に入れてみたが、
分別していないので、
出すことが出来ない。
出す時間に起きていない。
部屋の隅に置いていたら、だんだん、自分の生活空間を侵食してきた。
・・そんなとこから始まったのかな?
一旦、ゴミが増え始めると、
ますます、ゴミ出しは時間も労力も必要な難しい作業となる。
見てみないふり
ゲームに逃避して、気がついたら、
寝る場所もなく、
行き来する動線もなく、
シャワーもトイレも使えず、
ゲームも出来なくなって、
自分がその居住空間から追い出された形になってしまったのかな?
このようになってしまう人は、
老人や精神障害とは限らない。
普通に働いている人にもいるときく。
スポーツジムでシャワーをすまし、
外食し、家では寝るだけ。
清潔な服が見つからないから、新しく買う。
仕事着は車に置いたまま。
寝る場所がなくて、車で寝泊まりしながら、
教師として学校に通ったり、看護婦として病院に行ったり。
高級官僚と呼ばれた人もいた・・。
仕事に自分のエネルギーをすべて取られ、
立ち止まる暇もなく走り続けなければならない人が、
自分をケアすることを放棄する。
自分の生活をまわす・・作業を妻や母親に丸投げしてきた人達が、
その人たちがいなくなると、
生活が回らなくなる。
毎日の生活を回すために必要な習慣、知恵を持っていないので、
自分でしようと思っても、
そのルーティーンを回すのに、
すごくエネルギーを要する。
そんなエネルギーが残っていないので、見て見ぬふりをして、
コンビニや宅配にたよっていたら、
ゴミ捨てという出口が塞がれ、
淀み、おりがたまって、身動きが出来なくなったのか・・。
自分の周りの男性陣を見ると、
ケアの領域は女の仕事という意識が脈々と流れている環境にいるので、
自分から手を出そうとしない。
私自身は、結婚してから、
ケア領域を一手に押しつけられ、
苦手なのに、嫌々ながら、
どうにかやっているので、
それを、子供たちに教えたり、楽しんだりする余裕はなく、
余裕がないので、
子供に手をださせずに、
自分が一手に引き受けて、
子供たちが何もしない、出来ないことを見て見ぬふりをして過ごしてきた。
長男は20歳。
今が最後のチャンスだろう!
目の届く範囲で、一人暮らしとかさせて、身につけてほしいなぁ‥と思うのだけど、
子離れできていない私が、
掃除に行ったり、ゴミ出ししたりしてしまうだろうから、
一人暮らしをさせるだけでは解決にならない。
今、少し余裕があるのだから、
させなければ・・。育てなければ・・。
精神的親離れ、子離れの必要性と同時に、
最後の教育時期、
幼いころに身につけさせなければならなかったことだけど、
今からでもまだ間に合う。
まだ私の体力もある。
彼が一人で生きていけるように、
きちんと向き合って、
トライさせたり、見守ったり、最後の子育てをしよう。
彼が一人でも、生活が楽しめる男子になれたら、
結婚も、自立も怖くない。
まず、私が、生活を楽しんで、がんばろう!