50代からの新しい生活!

子育て、転勤生活ひと段落。夫は定年間近。親の介護目前で、ギクシャク。新天地での新生活は、自分の老後も視野に入れながら、始めます。

ビジョンハッカー【ビルゲイツ】

ビルゲイツのビジョン・ハッカーについての番組を見た。

これが、今の世の中にため息をもたらしている元凶なんだろうなと思った。

 

これがビルゲイツの頭の中に生まれたときから、

この世の中にさまざさま悪意や不幸をもたらそうと意図していたわけではないと思う。

この世の中をよりよくしたい。

自分には世の中を変えるパワーがある、お金がある、

だから、

お金を流し、

人々を動機づける仕組みを作った。

彼にとっては、ただそれだけのことなのだろう。

 

しかし、

その仕組みの上で、

人より金持ちになりたい、

人より這いあがって、力を持ちたいと考える人たちが、

世の中全体にとって、広い視野で、この世界がよりよいものとなるように

行動するとは限らない。

 

仕組みを利用して、

自分の偏った主義主張を広げるために邁進することもあるし、

劣等感やトラウマ解消のために、

人々を扇動したり、

そのために人々を分断して、敵認定したり、

全体のことよりも、

自分や自分の周りにいる人たちだけを考えて、行動することもある。

 

人間が長い年月をかけ、

戦争や悲惨な歴史を経て、

いろいろなことを見聞きしたうえで、

理想と現実に折り合いをつけながら、

少しずつ、少しづつ、積み上げて進んできたものを無視して、

 

視野の狭い若者や弱者と呼ばれる名もなき人々に、

巨大な資金と技術、力をもたせ、

好き勝手にふるまうことを許す。

 

徐々にしか変わることのできない社会に苛立ち、

徐々に変えていく忍耐力もなく、

多くの人を取り残しながら、

分断し、排除しながら、

自分たちのビジョンだけを押し通そうとする。

 

そんな姿・・見たことがある。

 

紅衛兵そっくりだ。

ビジョンハッカーを名乗り、

ビルゲイツの資金や名声をバックに、

好き勝手を振舞うことが許されているこの状態は、

中国の偉大な歴史に火をつけ、焼き尽くしてまわった紅衛兵に似ている。

 

若者たちの、

斬新な視点、

素直な表現、

声をあげることは、

惰性で、ビジョンなく、袋小路に陥っている私達に、

新しい風を吹き込んでくれる好ましいものだけれども、

ビルゲイツ」という名前が象徴するように、

技術革新がもたらした国際金融の巨大マネーが、

現実の人々の地に足の着いた生活を破壊するほどの

巨大パワーを伴って、

彼らに好き勝手させる土壌をうみだしている。

 

ビルゲイツ」の意向を背景に、

深い考えなしに、

社会のその他への影響を全く考慮することのなく、

幼児のような無垢な横暴さで、

古い社会の仕組みを蹂躙する。

 そのような仕組みになった背景や理由、

考慮すべきだった点をまったくみることなしに・・。

 

結果として、

ビルゲイツのせいで、

今の世の中が今後よりよくなるとは思えなくなった。

 

毎日過ごしていると、

人生はいろいろあるけれど、

「これがあるから、生きるってことも、世界も、この世も、捨てたものじゃない」と思える何か、

「コツコツ、毎日を地道に頑張って過ごす意味がある」と思えた何か、

が、ここ数年で、ことごとく、目の前から消えていった。

 

新旧や善悪のバランスが崩れ、

嫌なものがのさばり、増長し、

良きものが倒れ、消え去っていく姿ばかり目にする。

 

信頼してきた「大きな物語」が消え、

「自分の属する物語が何もなく、他人が声高に、自分と関係のない物語を押しつけ、

矯正され、生きる意味をなくす」

そんな状態になりつつある。

 

「自分と関係のない物語を押しつけられる」

 「自分のビジョンを、他人に都合の良いように、ハックされる」不快感。

 

「ビジョンハッカー」という言葉に対する不快感はそこにいきつく。

 

中国共産党による、香港で行われる愛国教育、

ウィグルの洗脳教育、

誰かの都合の良い物語に、自分や自分の属している社会が持っていた物語を

書き換えられる恐怖や不快感。

 

それらは同じ思想であり、そのことへの忌避が働く。

 

アメリカのグローバル資本主義の行きついた結果と、

中国共産党の考え方は、相性がいい。

 

私達がいま問われているのは、

米中対立のどちら側につくのか?ではなく、

思想の自由を享受していた人間として、

「他人に思想までもコントロールされることを良しとするのか?」であり、

その選択を、各自は今、迫られているのだと思う。