子育てしているとき、自分のずっと住み続けられる家があったら
嬉しかったと思う。
地元の主婦の皆さんと、子育てしながら、
知り合って、お互い助け合って、
子供が巣立ったら、
暇持て余した時間をお茶したり、
愚痴言いあったりして、
そして、親の介護や自分の老いの情報を共有しあって、
助け合って、生きていける。
自分の親たちが、
私の小学時代のお母さん仲間と未だにつるんで、
おすそ分けしあったり、
長話しあったりして
生きているのを見ると、羨ましいなと思う。
私の夫は、転勤族で、3月になると、どこに飛ばされるか分からない生活をしてきた。
社宅の仲間たちは、
4月に出会って、3月にお別れする、一期一会のおつきあい。
子育て終盤になって、
自分の親の側にいたいという夫の意向で、
今の場所に住みはじめたけれど、
コロナの緊急事態宣言で始まった新生活は、
家に閉じこもるばかりの、知り合いも、出歩くこともない生活だった。
ようやく、少しづつ、パートを再開し、
知り合いが出来、
まぁ、これから、この辺りを知っていくのかな?という段階で、
義父が亡くなり、マザコン夫の安心のため、
ド田舎の、好んで住みたくないような土地に引っ越すことになった。
絶対!嫌!!だけれど、
今いるところが、社宅である限り、
夫の意見に逆らって、
住み続けることは出来ない。
勝手に、社宅に住み続けないと届け出られては、
どちらにしても、家を探さなければならない。
今の払っている家賃の3倍くらい払っても、
今と同じ広さの場所を借りることが出来ない。
ド田舎の義母宅近くでさえも、
物件数がないだけで、
あるのは、高くて、狭くて、古い賃貸。
今家族4人で住んでいるので、部屋数の多い場所が必要だけれども、
子供たちは、巣立っていく最後の段階。
私も、自分の老後生活を見据えながら、
貯蓄を増やしつつ、
生活を縮小して、
親の介護や自分の老後に備えなければならない時期。
あと、数年したら、広い部屋よりも、小さな、使い勝手の良い、
病院や買い物に便利な住居に住み替えを始めるような年齢。
それなのに、
結婚してから、家計は任せた!と、
すごく多めのお小遣いを取って、
私が教育費に頭を抱えていても、
年々上がっていく、社会保障費に驚いていても、
小さな節約に励んでいても、
「ぼくは、仕事してこんなに稼いでいる!これくらいの生活が出来て当然!!」とばかりに、独身時代からそう変わらない、消費ぶりで、
「お金は天下のまわりもの。回すことが大切!」
と、無駄遣い・・。
子育てにかかわる時は、
映画に連れて行き、ポップコーンとジュース!カタログかって、土産を買って。
子供が欲しいと言えば、なんでも買い与え、
お金に頭を悩ませることはない。
ずっとずっとワンオペで子育てやってきた私は、
お金のかからない公園を探し回って、
お茶持って、おにぎり持って、
お金がかからないように、
それで、子供たちが満足するように・・を心がけてきたのに、
そんなのはお構いなし。
戦前に産まれた父親が、日本の高度成長期の真っただ中に
仕事に邁進して、専業主婦の義母に家のことを任せっぱなしで、
それで、年々豊かになって、沢山の年金をもらって、
私達より裕福な老後生活を送れた。
定年後に、こだわりの注文住宅を作り、
趣味の領域で、手を入れ、お金をかけた。
そんな老後を自分も送りたいと夢見ているだけの、
今の日本の世の中の厳しい現実を何も直視することなく、
時代が移り変わり、
年々、社会保障費が増え、学費が増え
以前と同じ生活を維持するコストが年々上がり、
毎年、なにかを切り詰めながら生活を続けていかなければならないのに、
そんな負担感を全く経験することもないままに、
40年前の感覚のままに、
いまでは普通の人が手が届かない「特別なこと」を
当たり前として享受して、
それが阻害されると、
負担感で息も絶え絶えの「私」や「若者」に対して、
マウントを取りながら、嫌味を言う。
今後、会社を離れて、
初めて「リアルワールドにようこそ」ではないけれど、
だれかが先回りしておぜん立てして、
機嫌を取ってくれる、今いる社会から、
社会の片隅で、
息をひそめながら、
周囲に迷惑をかけないように、
自分に許された範囲で、要求をかなえ、
大部分をあきらめながら、
毎日を残高をにらみながら、生活するそのような多くの人たちの仲間入りをするのに、
彼が「自分の特別待遇を手放す」ときに被るであろうフラストレーションが、
私に向かわなければいいなと思いながら、
彼の生活水準を着地させなければと思っているのに、
そんな、今、
そして、今更、
借金してまで、中古マンションを買うと言っているのです。
終の棲家は必要です。
しかし、
それは、終の棲家ではありません。
5年もせずに、生活環境が大きく変わります。
子供たちが巣立ち、
親は亡くなり、
処分先を考えないといけない、売れない不動産を持て余すことが目に見えてます。
教育費に全振りしてきた我が家の家計は、老後を安心して過ごせる貯蓄はありません。
病気して、いつ介護が必要になったり、
子供たちがスムーズに社会に出て、独り立ちしていけるのか?そんなことも分からないのに、
今、借りるのでなく、買うと言い出しているのです。
将来値上がりが見込める物件が、
そんな誰も住みたがらないようなド田舎にあるとは思えません。
世界情勢も読みにくい激動の時代ですから、
移民が押し寄せて、爆上がりしないとも限りません。
しかし、
普通に考えると、
今の値段より下がることはあっても、上がることはないでしょう。
ペット可のマンション
臭いは?修繕費の積み立ては?近隣住民とのトラブルは?
そんな、リスクを考えると、
たった数年住むためのマンションをわざわざ買う意味が分からないのです。
多額の手数料、税金、責任そんなことを考えると、
賃貸のほうが気が楽です。
まぁ、会社内での存在感が薄れ、
社会的な地位が脅かされつつある今だから、
「家を買う」という大きな買い物をしてみたいだけとしか考えられません。
老後破産・・分岐点が今あるような気がします。
みじめな老後を送らずに済むように、
妻として、頑張って、思いとどまらせる必要があるような気もしますが、
しんどいんですよね・・。
いつも、上から目線で、人を見下す言動が多い人なので、
「こっちに迷惑かけずに、勝手にしろや!ボケ!」と
遠巻きに、他人事のように、関わりたくないなぁ・・という気持ちしか起こらなくて、
思考が停止してしまいます。
ほんと、将来が見えない。
疲れています。