60歳になって、給料が激減した。
55歳になった時も、管理職から外れて、激減。
身体も、頭も、第一線で充分やれるつもりでも、
誕生日が来たその瞬間に、
それまで傅いていた部下も、
給料も、待遇も目の前から消える。
自分が指導してきた部下に、
ある日突然、
役職や立場を奪われる。
それでも、職があるだけ、
給料があるだけまし。
仕事があるから、毎日することがある。
人との関係もある。
休みになって、
久々家族の時間を・・と振り返っても、
仕事を多忙に、意識の外に追いやっていた家族は、
とっくに、子供は大きくなり、
家族と呼ばれる関係性は構築できていない。
お金さえ振り込めば、
それで、自分の役目は果たしたとばかりに、
何も関わってこなかった、20年。
子供のために、仕事を早く終わらせたり、
なんとか時間を作ろうとしたりしたのは、いつの日か。
結婚当初、出産当初は、頑張っていたかもしれない。
だんだん、妻の話を聞く時間が無駄に感じ、
妻はただ、不在の間、たった一人でみてきた時間や悩みをシェアしたいだけなのに、
文句を言われているように感じ、
解決方法を提示すればいいだろ!とイライラし、
金で解決しようとし、
だんだん、妻は話しても無駄、嫌な気持ちになるだけ・・と、
「共感」を探し、他に目を向けるようになり、
何も話さなくなり、
気がつけば、距離が出来ていた。
そんな関係が長く続き、
それぞれで、自分の役割だけこなせば、
文句を言わない、関わらない関係が出来、
「不在」が普通になっていたのに、
子供が大きくなり、
仕事から解放され、
自分の家庭に、居心地の良い居場所をもとめようとしたら、
ゴミ扱い。
いると、イライラするし、
居心地よく、リビングを占領されると、
妻である私は、自分の居場所がなくなって、
イライラする。
せめて、時間帯だけでもずらそうと、
彼のいる日は、実家へ帰る。
それでも、かち合う日は、仕事とかして、家事労働をする。
はやく、仕事に行かないかなぁ‥と思いながら。
目に入る、
耳に入ると
イライラするので、
いないものとして、意識の外に追いやる。
しゃべるときは、用件だけになるので、
ある日突然、話しかける言葉が、クレームになったり、糾弾のように聞こえたり。
お互いにそうなっているので、
ぎくしゃく。
相手のことを考える時間を極力少なくしたい。
そうやって、生活しながら、
人として、
挨拶はしないといけないよな・・とか、
最低限のことはしようと思う。
家族でなく、他人だから、
気を遣わなければならないこともあるし、
踏み入ってはいけないこともある。
この上から目線のしゃべり方嫌いだなぁとか思うけど、
家族と思うと、
要求したくなる。
他人なら、
きちんと、線引きできるのでは?
自分が無理して、
家族のために・・と機嫌を取らなくていいし、
線引きして、
嫌な部分は離れて、
好きな部分は、一緒にシェアして、
各自で、自分のことは自分で対処する。
そうやって、
自分の足で立つ。
大人になろうと思う。